事例演習民事訴訟法第3版(遠藤賢治) レビュー
設問はどれも相当ひねられている*1。法学教室の演習にしてはかなりレベルが高いほうであり、司法試験の小問で出てもおかしくないレベルである。また、実務家らしく実務の手続を意識した問題も多い。
解説は基本書的な総論から始まる。事例を離れた基本知識がつらつらと書いてあり、それがひと通り終わってから事例の解説が始まる。しかし、事例の解説も、「事例の解決」に必ずしも応えてくれるわけではなく、一般論のなかにちょろちょろと本件事例の分析が入るという感じであった。良く言えば、他の事例への応用を意識した記述ぶりである。
なお、第3版から巻末問題に模範答案がついた。巻末問題に取り組んでいた高レベルな人は喜んでいるだろう。
*1:簡単な問題集を求めるなら、Law Practice 民事訴訟法〔第2版〕あたりがお勧め