読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

おいでよ ほうりつがくのもり(基本書レビューblog)

まったり司法試験・予備試験の基本書をレビューします

司法試験・予備試験におけるあてはめと事実認定

 試験であてはめ,事実認定はどうやってやればいいのですか,という質問が結構多いので,自分なりの答えらしきものを書いておきます。

 あてはめ,事実認定という言葉は,非常に多義的に使われているので,初学者の方は混乱するかもしれませんが,とりあえず

 事実認定=証拠から特定の事実が存在すると判断すること

 あてはめ=存在する事実を評価して法律要件にあてはまるか否か判断すること

 くらいに覚えておけば,大きく外すことはありません。

 具体的にいうと,「平成28年2月14日某百貨店チョコレート売り場において撮影された,AがVを殴っている映像」という証拠から,「平成28年2月14日某百貨店チョコレート売り場においてAがVを殴った」という事実が存在すると判断することが事実認定です。

 そして,「平成28年2月14日某百貨店チョコレート売り場においてAがVを殴った」という事実を「殴ったのだから,Aの身体に有形力を行使したといえる」と評価して,「暴行」にあたる,と判断するのがあてはめです。

 基本的に事実認定は司法修習以降にやることになっているので,予備試験・司法試験まではあてはめだけ練習しておけばOKです。

 受験生が注意すべきなのは,「Aという事実とBという事実があったからCという事実もあったといえる」という感じで,問題文に書いていない新しい事実を創りだしてしまうことです。これは司法試験までは出題者の意図に沿わない答案を書いてしまう可能性が高いので,やらない方がいいでしょう。特に論理的な理由はないのですが,試験のお約束という感じです。

 ただし,主観的な事実は,この例外で,「AはVが特異体質でチョコレートを食べると即死することを事前にD医師から聞いていた」という事実があったから「AはVにチョコレートを食わせればVが死ぬことは認識していた」という事実もあったといえる,という感じに「事実認定」することは試験では推奨されます。この作業をあてはめと呼ぶ人もいますが,用語の使い方はあまり気にしなくていいでしょう。要は答案に書けるかどうかです。

 あとはあてはめの方法ですが,基本は「事実」(A君はチョコレートを200個もらった)と「評価」(A君はモテる)をしっかりと分けることに尽きると思います。これができていない受験生が半分以上なので,これを十分に意識していれば大丈夫です。

 また,あてはめは自由にやればいい,自分なりに事実を評価すればいい,などとよく言われますが,試験の世界は,裁判例が使っている言葉を用いて,裁判例の傾向をふまえて評価しなければ高い点数は望めません。あてはめで点を稼ぎたい人は,裁判例があてはめでどのような言葉を使っているかに注目して普段から勉強すると良いでしょう(例えば,「生命に危険があった」と評価するとき,単に「腹を刺したから」ではなく「身体の枢要部である腹部を…」などという言葉を使ったりしているはずです。こういう表現をパクっていく作業が非常に重要です)。

 だいたいこんな感じです。