知的財産法の基本書・演習書・判例集
入門書
知財の入門書としてはとりあえずこれ。300頁もないのですぐ読める。入門とついている本が他にもあるがこちらのほうが薄いし簡潔に書いてある。紹介しているテーマも薄く広くという感じで癖がない。条文の解説のほか、基本的な判例は引いてくれているので学部の試験くらいならこれで乗りきれると思う。
こっちは本当の入門という感じなので、講義で指定されない限り読まなくてよいと思われる。内容はけっこう読みやすくて面白い。
基本書
特許法
学部生でも十分読めるレベル。タイトルは入門だが実際は基本書か教科書といった感じ。450頁くらいあるので結構ボリュームがある。法科大学院の講義の予習に使える。
特許法の基本書にしては薄く、400頁いかない。通読向けの教科書という感じ。元裁判官が書いているだけあって淡々とした記述で個人的には好きな文体。司法試験で知財を選択しようと思っている人はとりあえず小泉先生の特許法・著作権法を1日2日で読んでからこれも1週間ほどで通読してしまったほうが良いだろう。実際教科書としてはこれ1冊で十分だと思う。
あんまり使っていないので偉そうなレビューはできないが、受験生としては図書館で参照すれば十分だと思われる。
これも通読向きの教科書。とにかく基本書を1周して全体を掴みたいが400頁超の基本書を読むのはしんどいという人に。
司法試験委員の基本書。ゼミの調べ物に使える。自分の周りの成績優秀勢でこれをメイン基本書にしていた人がいた。自分には少し難解な気がして合わなかった。
著作権法
- 作者: 島並良,上野達弘,横山久芳
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2009/10/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 45回
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多分受験生の間で一番シェアが多いのではないか。300頁超程度なので一気に通読できる。良書。共著らしく中立的な記述が受験生にはうれしい。
700頁超えとボリュームがすごい。基本書というより体系書。正直時間が余っている学部生か、GPA的に周りと差をつけておきたいロー生でもない限り通読する本ではないと思うが、予習や調べ物には最適なので1冊は買っておきたい。知財の講義前日と試験前には必ず図書館から消える系の本。おすすめ。
中山著作権法ほどは分厚くないがなかなかのボリューム。正直教科書として使うには分厚く辞書として使うには薄い。茶園先生で揃えたい人向け。
あまり使っている人は多くないが結構おすすめ。記述が簡潔でわかりやすく、主要判例に触れていくので判例集と一緒に使えば司法試験の論点はひととおりこなせる。
判例集
5版は今このブログを読んでいるあなたが今期ないし来期の定期試験、もしくは次の司法試験を受けるまでには出ません(悲劇)。一体何があったんでしょうねぇ…(ゲス顔)
通常司法試験・予備試験の勉強において百選以外の判例集を選択するのはよっぽどのことだが、これは知財高裁の裁判官たちが解説を書いているので非常に有用。知財選択者なら何回も読む価値あり。
演習書
- 作者: 井関涼子,上野達弘,奥邨弘司,鈴木將文,宮脇正晴,小泉直樹,駒田泰土
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 2013/03/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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執筆陣が豪華な演習書。司法試験対応型。司法試験考査委員の書いた解説や模範答案がうれしい。知財選択者でこれをやらない手はない。
もともとが受験新報の連載なのでより受験対策的。答案作成上のポイントがついているのがこのシリーズの使いやすいところ。 著作権法の問題が結構充実しているので有用。
簡潔でわかりやすくなった演習ノートといった感じ。ただし解説はあっさりしている。演習ノートがきつい人はこちらからやるのも手だと思う。問題は重要論点をうまくひろっている。
結構難易度が高いので演習ノートをこなした人向け。司法試験や定期試験で上位に行きたい人に。
その他の科目はこちらからどうぞ。