法曹倫理の基本書・演習書
法曹倫理の基本書についてレビューするかのようなタイトルですが、実際に予備試験・法科大学院の定期試験などで問われるのは弁護士倫理の知識だと思いますので、主に弁護士倫理関係書籍のレビューをします。
基本書
日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:解説『弁護士職務基本規程』第2版
リンク先の紹介だと「体系的解説書」ということになっているが実際は逐条解説のコンメンタールという感じ。予備試験の出題の中心であり、あらゆる法曹倫理の予備校本や基本書は本書を参照して書かれているので本書をまず読むべき。薄いので早い人なら数時間で読める。図書館で参照するのもアリ。
典型的なケースを200以上集めたケースメソッドの参考書。裁判官倫理・検察官倫理まで載っているのでこれ1冊で完璧に授業対策できる。また弁護士法人など新しい論点も大量に載っているのが良い。教員使用率が高く(自分の周りで)、各法科大学院で講義や定期試験のネタ元になっている可能性も高いので予習復習定期試験対策に役立つ。予備試験には若干オーバースペックだが法科大学院生にはおすすめ。
法曹倫理を予備試験対策用に割り切るならこれ。民事実務の解説部分は大島先生の完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉のほうがていねいに解説されていて使いやすいが、法曹倫理の部分は最低限必要なことだけを書いていて秀逸。ただし条文の使い方メインで解釈の解説が薄いので日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:解説『弁護士職務基本規程』第2版は必ず参照した方がいい。
演習書
弁護士倫理の理論と実務―事例で考える弁護士職務基本規程 (東弁協叢書)
- 作者: 東京三会有志弁護士倫理実務研究会
- 出版社/メーカー: 日本加除出版
- 発売日: 2013/11
- メディア: 単行本
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予備試験や法科大学院の定期試験までのレベルなら本書で十分。典型的な演習問題の後に充実した解説が載っている。実定法演習書で定番のスタイルなので、学習しやすい。
これが教科書に指定されている法科大学院は多いはず。実際には解説が適当であまり使えない。演習問題の解説がきちんと載っていないのが受験生にはマイナス。
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