環境法の基本書・演習書 レビュー
前提:環境六法
環境法は参照法令が多岐にわたるため、専用の六法がなければ学習が難しい。
以下から適当に選択して購入しておきたい。
個人的にはこちらの「ベーシック」がおすすめ。しかし、好みの問題だと思う…。
入門
有斐閣ストゥディアシリーズの安定した環境法入門書。
有名研究者著で、ボリューム感もちょうどよい。
引用があまりしっかりしていないのがこのシリーズの最大の欠点なのだが、とりあえず環境法の全体を頭に入れたい初学者が読むぶんには気にならないだろう。
比較的新しいのでネット上ではあまりおすすめされていないが、かなり良書。
有斐閣ストゥディアがきつい人向け。同じ著者でより柔らかい。
相当あっさり書いてあるので、定期試験対策には向かない。
あくまで全体を掴むための本。
入門書としてはかなり良書…だが、有斐閣ストゥディアが出た以上は新しさの点から特段これを選択する必要はないだろう。改訂が待たれる。
著者の大塚直先生はこちらもかなり有名人。
北村喜宣先生ではなく大塚直先生の著書を底本にしたレジュメ等で法科大学院の講義を受けている・受ける予定の人におすすめしたい一冊。
新しい入門書。共著のため、北村喜宣先生のストゥディアより記述の中立性は高い。
また、北村喜宣先生は行政法の専門家、大塚直先生は民法の専門家だが、この本は各分野をそれぞれの専門家が書いている。ここは共著の大きなメリット。
基本書・体系書
学部:法科大学院の講義のお供に。超メジャー本。これを読まないと予習したとは言えない。
総論と各論の2部構成になっており、司法試験を強く意識した解説になっているので、司法試験の選択科目対策にも最適。図表が結構多めに使われているので、理解しやすい。
2015年に改訂されたので、基本はこれを使っておいて問題無いだろう。
2部構成のためボリュームはあるが(684頁)、学習に慣れてくるとむしろ個別法の辞書としても使えるのでこの厚さがありがたい(環境法の演習はとにかく参考資料がないと何もわからないので…)。
北村喜宣先生は環境法のうちの行政法問題に強いが、大塚直先生は民法問題に強い。2分野を横断する環境法の学習では、こちらの通読も欠かせない。
超メジャー本であり、受験生としては北村環境法を読んだうえでこちらも通読し、両者を並べながらまとめノートを作るなどして司法試験対策をしていくことになるだろう。
環境法は事前に知っていないと=覚えていないとうまく解答できない問題が出る傾向にあるので、環境法を選択科目にするなら古くても抑えておきたい体系書。
問題演習・ゼミ準備の際に使える、いい感じの辞書。意外と使ってない人が多いがもったいない。
判例集
これで必要にして十分。
演習書
司法試験対策を強く押し出した環境法の演習問題集。
ポイントをまとめた解説で非常に有用。問題が短いのでガンガン回せる。
共著のため解説のクオリティにムラがあるが、全体としてみればかなり高い。
少し古いが、抑えておくべき。
受験生は全員やってるレベルの本。
多言を要しないと思うが、基本的には全問答案を作成して暗記しておくべき。
ガツガツ環境法の演習をやりたい人向け。解説は詳しくて良い。
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