おいでよ ほうりつがくのもり(基本書レビューblog)

まったり司法試験・予備試験の基本書をレビューします

法科大学院全国統一適性試験の攻略

いわゆる「適性試験」の攻略法について述べた記事です。

結論:過去問演習で十分

各予備校が適性試験の問題集を出版していますが、実際の過去問と解説が載ったものを1冊購入して1~2周すれば十分です。

というのも、予備校の作成するオリジナル問題は、適性試験本番より難しい傾向があり、オリジナル問題を解いてもあまり有効な演習にはならないからです。

法科大学院 適性試験 過去問分析+予想問題集 2016年

ロースクール適性試験パーフェクト分析&とき方本―2016年入学者向け全国統一適性試験対策

法科大学院適性試験 スピード攻略ブック

どうしても大量に問題演習がしたい!という受験生も、このあたりの本を抑えておけば十分でしょう。

「◯◯は適性試験を重視しているから未修は8割は取る必要がある」など、様々な怪情報が流れることと思いますが、適性試験の勉強をするくらいなら未修も既習も六法の勉強をしたほうがよいです。

そもそも、過去問を2周して未だ適性試験をクリアできないようなら、法科大学院・司法試験で要求されるレベルの処理能力がない可能性が高いので、進路変更を考えるべきでしょう。

まずは1年分、時間を計って解く

新司法試験は、問題の分量が多く、高い処理能力が問われる試験です。

問題の分量が少なく、時間的余裕のある代わりに深い知識を要求されていた旧司法試験とは異なります。

適性試験は、新司法試験でも要求されている処理能力をテストするものです。

センター試験のように「全問に解答する時間がある」「満点を取りに行く」試験ではなく、割りきって「時間内に足切りライン以上の点数を稼ぐ」試験です。

したがって、時間を計らずに適性試験の演習を行うことはかなりコスパが悪い勉強法になります。

まずは1年分の過去問を時間通り解いてみてください。

最初から8割以上得点できた人は、本番直前にもう1年分くらい過去問をやり直せば大丈夫です。

7割得点できた人も、2年分くらい過去問をやれば本番では8割弱ほどの得点が期待できると思います。

ここまでの人たちは、過去問の解説を必死で読み込む等の対策は必要ないでしょう。あくまで慣れるために過去問を解く程度で大丈夫です。

具体的な攻略法

問題は7割未満の人です。適性試験が苦手な可能性が高いグループです。

まずは上記の予備校本に掲載されている程度の年数の過去問をこなし(古い年度のものは傾向が違ったりするので、3~4年以上遡る必要はないと思います)、適性試験の形式に慣れてください。

具体的な解き方は、

ロースクール適性試験パーフェクト分析&とき方本―2016年入学者向け全国統一適性試験対策

の最初の方に書いてあるくだりを参考にするとよいと思います。

(上の本に書いてあるわけではありませんが、個人的には)「捨て問」を見つける勉強法が有効であると思います。特に直前期には。

普段の過去問演習から自分が間違えた問題にマークしておき、過去問をひと通り終えた時点で、自分がどのようなタイプの問題が得意で、どのようなタイプの問題が苦手なのか、を分析します。

たとえば、1部の逆・裏・対偶を使う問題は得意だが、3部の哲学的テーマの文章は苦手…といった具合です。

本番では、自分が苦手なタイプの問題を後回しにして解くだけで、相当正答率が上がります。

どうせ全問題をじっくり検討する時間はないのですから、苦手な=正答できる可能性が低い問題は、最初から捨ててしまって、他の問題に時間をかけたほうが良いからです。

ぜひ、参考にしてみてください。