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おいでよ ほうりつがくのもり(基本書レビューblog)

まったり司法試験・予備試験の基本書をレビューします

ロースクール・ソクラテスメソッド・マニュアル

はじめに

知っている人は知っているかもしれないが、日本の法科大学院(ロースクール)の講義は、ソクラテスメソッド*1で行うことになっている*2

なぜ、ソクラテスメソッドが導入されたのか、ソクラテスメソッドが実際に行われているのか、ソクラテスメソッドが適切な教育手段なのか、という点についてはすでに様々な議論がされている。

ここでは、現実に、日本のロースクールで学生としてソクラテスメソッドで当てられた場合に役立つテクニックを検討・教授してみたいと思う。

基本的なテクニック

耳が遠い

教授に当てられたら、すかさず「すみません、よく聞き取れなかったので質問をもう一度お願いします」と返す。教授の機嫌や性格が悪くない限り、教授はスムーズに講義を進めていきたいはずなので、もう一度質問を繰り返してくれる。これで時間を稼ぐ間に問題を読んだり、ノートや基本書で該当箇所を探したりする。

基本的にロースクールにおいて「沈黙」は最も下策。予習不足や学力不足を疑われてしまう。平常点や自主ゼミのメンバー探しにも悪影響である。「沈黙」するくらいなら、多少卑怯でもこうしたテクニックを使って時間を稼ごう。

最も基本的なテクニックの一つだが、連続で使用すると高確率で怒られる。

オウム返し

「~という設問ですが…」「~という点が問題となりますが…」などと、ケースブックの設問や教授の質問を再び読み上げる。まったく生産性のない行為だが、あまり違和感なく時間を稼げる上、連日的に使用することも不可能ではない優良テクニック。長い設問でこれをやると死ぬ。

予習晒し

「予習の際は~だと思っておりましたが、ここまでの講義を聞いて…」「予習の段階では~のような点を主に検討しておりましたので…」

予習が期待された返答と異なっていそうなときや、予習をしていなかったがなんとなくこれは間違いなのだろうな、というところまでわかっているときに使える時間稼ぎテクニック。

一応予習はしてきましたよ、という雰囲気を出すことで大きな減点を防ぐ。司法試験でいうところの守りの答案である。

単打マン

「A説は~といっていて、B説は~といっていますが、~という理由からC説は~といっています」と答えるところを、

学生「A説があります。~という説です」

教授「他には?」

学生「B説があります。」

教授「どういう説ですか?」

学生「~です。」

といった具合に、細切れにして話す。決して内容が増えているわけではないが、教授もある程度ソクラテスメソッドを実践した気になるので、いきなり全部答えてしまうよりは発展的な質問が飛んでくる可能性が少ない。

応用的なテクニック

因果切断

順番にあてていく教授の場合、自分の順番の手前でトイレに行く。自分の後ろの順番の人に反射効として非常に不利益な効果が及んでしまうが知ったことか。あまりやると友達をなくす。

日常的に使用するのではなく、部分的に面倒で予習しなかった設問にあたりそうなとき等に緊急避難的に使うのがよい。

なかまづくり

普段から講義後に教授へ質問しに行き、人間関係をつくってしまう。誰しも、自分を慕ってくれる人間に意地悪な対応はしづらいものである。まずい返答をしてしまったときも、追及の手が緩むだろう。

逆質問

これは諸刃の剣である。質問に対して質問で返す。要するに、ここまで考えましたがわからないから教えてください、という態度を示す。何度も言うが「沈黙」は最も下策である。大きな減点を防ぐテクニックである。連続で使用すると大きく減点されうる。

*1:ソクラティックメソッドとも。正確な定義を探したが、よくわからなかった。要するに、教師が学生に質問し学生の対応を見ながら議論を進めていく講義方式、ということなのだろう。本来ソクラテスがやっていたのは、学生から教員に質問して議論が始まることもあるメソッドだったはずだが、日本の法科大学院で学生が講義中に教授に質問し議論を挑めば「おかしい人」扱いされて終わりだろう。

*2:根拠は自分でググってください。たぶん文科省あたりが言ってるんじゃないかな。