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おいでよ ほうりつがくのもり(基本書レビューblog)

まったり司法試験・予備試験の基本書をレビューします

会社法事例演習教材 レビュー

 

会社法事例演習教材 第2版

会社法事例演習教材 第2版

 

おすすめ度:★★★★★ (満点)

京大の会社法教授陣が執筆した会社法問題集の決定版。

京都大学法科大学院会社法の講義は、前田教授、洲崎教授、北村教授の3クラスでこの問題集を使用して行われている。

会社法(時には商法総則)の全テーマを扱っている*1問題文の長さも、司法試験を意識した程度になっている。加えて、設問も基本的なものから発展的なものまで揃っており、これ1冊で司法試験の商法対策は十分だろう。

解説は一部を除いてついていないが、参考文献・参考判例が設問ごとについているので、それを読んでいけばすぐに解答に辿り着ける。なお、参考文献としてあげられているのはほとんど『株式会社法 第4版』(江頭会社法)である。江頭会社法と百選が手元にあれば簡単に読み進めていける。私は執筆者自身による講義を受けたが、「江頭会社法を引けるようになることがこの講義の目標です」と言われたくらいで、特に難しい論文を参照する必要はない。ネット上の他のレビューでは「独習は難しく優秀者とゼミを組まなければいけない」といった評価がされているようだが、法科大学院の講義の予習段階で江頭会社法と百選を使って完全な解答をつくって講義に望めるように設計されており、独りでも解ききれる。

なお、ほとんどの設問で江頭会社法と併せて『会社法大要』(龍田節)の同内容の部分も参考文献として指示されているので、江頭会社法がどうしても嫌な人・買いたくない人はそちらを参照するのもよいだろう。(どう考えても、江頭会社法を買ったほうが早いが)

唯一の欠点としては、手形法の設問がないことだろうか。論文ではまず出ないが、気になるなら手形法部分だけは他の問題集を使う必要がある。

*1:社債等、「マイナー」な分野もしっかり独立の章が用意されている。